合同会社において、資本金の額の減少をできるのは、損失のてん補、出資の払戻し、持分の払戻しを行う際に、資本金の額の減少をする必要がある場合に限られています。
そして、資本金の額の減少を行うには、債権者保護手続が必要です。
ところで、上記の場合以外や、債権者保護手続に瑕疵があったのに資本金の額の減少の登記をしてしまった場合はどうなるでしょうか。
これは、違法行為ということで、無効になるのだろうと思います。
ところで、仮に、この資本金の額の減少の登記をした後に、債権者保護手続が完了していなかった(異議を述べた債権者がいたのに、必要な手続をしていなかった等)場合、登記した資本金の額の減少は無効だったということになります。
この場合、資本金の額の減少登記を抹消することになると思いますが、どのような手続が必要になるでしょうか。
これが株式会社であれば、資本金の額の減少は、訴えによらなければならない旨が規定されており(会社法828条1項5号)、その手続を経たあと、登記は裁判所書記官から嘱託されることになります(会社法937条1項1号ニ)。よって会社が登記を申請する必要はありません。
ところが、合同会社の資本金の額の減少については、訴えによらなければならないとは規定されていないようです。そうすると、無効を主張できる期間の制限もなく、また、訴訟手続による必要もなく、無効を主張することができるのだろうと思います。
正直なところ、こうした事案にはかかわったことがないので、想像にすぎませんが、この場合の資本金の額の減少の登記の抹消の登記は、たとえば、債権者が異議を述べていたのであれば、その異議申述書と、会社代表者からの上申書を添付する等して、会社から申請するということになるのだろうと思いました。
立花宏 司法書士・行政書士事務所
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