会社・法人登記専門の司法書士事務所です。

商号

2025年06月06日 09:16

 前回、予告しましたとおり、さっそく、定款の逐条解説の第1回を書いてみようと思います。通常は、定款の第1条に規定される「商号」です。


(商号)

第1条 当会社は〇〇合同会社と称する。

 

 会社の商号は、会社の名称であり(会社法6条1項))、定款で定めなければなりません(会社法576条1項2号)。会社が合同会社である場合には、その商号中に合同会社の文字を用いなければならず、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならないとされています(会社法6条2項及び3項)。つまり、商号の中の「合同会社」という文字は、商号の一部であって、合同会社という種類を示す単なる肩書ではないということでもあります。

 関連として、銀行法等、一定の法律では、それ以外の者が銀行等と誤認される恐れのある文字を使用してはならないと規定していることにも注意が必要です(銀行法6条等)。これらについては、登記先例等(注1)にも注意する必要があります。

 また、商号中に「支店」、「支社」、「出張所」という文字を使用することはできません(注2)。

 商号に用いることができるのは、日本文字のほか、ローマ字その他の符号で法務大臣の指定するものに限られます(商業登記規則50条、平成14年法務省告示315号)。

 商号は、他の会社が既に登記した商号と同一であり、かつ、その本店の所在場所が当該他の会社と同一であるときは、登記することができません(商業登記法27条)。なお、不正の目的をもって他の会社であると誤認されるおそれのある商号を使用することは禁止されていることにも注意が必要です(会社法8条)。

 ちなみに、定款には、「英文では、○○GKと称する」等と規定することもありますが、商号は1つに限られますから、これは法律上の商号ではありません。また、合同会社を英語表記する場合には、「Limited Liability.Company」等が用いられることがありますが、他国の制度における「Limited Liability.Company」と誤解される恐れもありますから、「Godo Kaisha」や「GK」と表示することが望ましいという見解があります(注3)。

 また、合同会社をはじめとした持分会社には、「持分会社がその商号中に退社した社員の氏若しくは氏名又は名称を用いているときは、当該退社した社員は、当該持分会社に対し、その氏若しくは氏名又は名称の使用をやめることを請求することができる」(会社法613条)という規定があることにも留意が必要です。 

お問い合わせ先

立花宏 司法書士・行政書士事務所

〒980-0022
仙台市青葉区五橋一丁目4番24号ライオンズビル五橋702号

022-302-6906

サイト内検索

© 2016 All rights reserved.| は無断で加工・転送する事を禁じます。

Powered by Webnode