会社の事務所は、事業活動等の実態に即して複数設ける場合もありますが、事務所のうち、事業活動の中心となる事務所を本店といい、会社の住所は、その本店の所在地にあるものとされています(会社法4条)。また、民事訴訟における普通裁判籍は会社の本店により定めるとされています(民事訴訟法4条4項)。
会社の本店の所在地は定款の絶対的記載事項です(会社法576条1項3号)。定款に記載すべき本店の所在地は、独立の最小行政区画をもって表示すれば足りるとされています(大正13年12月17日第1194号回答)。独立の最小行政区画とは、市町村(東京都の特別区を含み、政令指定都市(地方自治法252条の19第1項)にあっては市)をいいます。都道府県と同一の名称の市(例えば、青森県青森市)を除いては、都道府県名も記載するのが相当だとされています(昭和32年12月24日第2419号回答)。
本店の所在地として、定款には独立の最小行政区画までしか定めていない場合は、業務の決定(会社法590条2項、591条1項)により、具体的な所在場所を定める必要があります。
ちなみに、他の会社が登記した商号と同一であり、かつ、本店の所在場所が当該他の会社の所在場所と同一であるときは、その登記をすることができませんが(商業登記法27条)、この判断の基準は「所在場所」であり、定款に記載した「所在地」(独立した最小行政区画)が基準ではありません。
なお、登記事項である「所在場所」は具体的な所在地番(住居表示番号)です。
立花宏 司法書士・行政書士事務所
〒980-0022022-302-6906
Powered by Webnode