会社・法人登記専門の司法書士事務所です。

計算を知らずして会社法を語る勿れ!

2024年05月18日 15:58

 最初のころ、合同会社の計算のことを書いていきますと言っておきながら、既にその方針がブレまくっております。今回も、まったく違う話題です。大変申し訳ありません。

 お題をみてお分かりの方もいらっしゃるかもしれませんが、金子登志雄先生の名著『目からウロコ!これが増減資・組織再編の計算だ!』(中央経済社)が、新訂版として再刊されました。

 私が商業登記の道に進むきっかけのひとつとなった書籍でもあり、紹介させていただこうと思いました。

 解散の計算のことがわからないと、会社法や商業登記のことが理解することは難しいと思います。

 私は、司法書士資格を取得した後、勤務していた会社を退職し、まさに、会社法が施行された平成18年から司法書士事務所に勤務しはじめました。少しして、その事務所の商業登記を担当させていただくことになり、増資や減資、そして組織再編と、いろいろな業務を担当することになりました。

 私は、会社では経理畑にいたのですが、増資や減資なんて、経験がありませんでしたし、組織再編なんて別の世界のことくらいにしか思っていませんでした。そのため、登記に必要な計算がよく理解できず、毎日悪戦苦闘していました。

 そんな時に出会ったのが、今回紹介させていただく書籍の旧版です。

 正確にいうと、最初は、その前に出版された金子先生著の『目からウロコ!これが計算規則だ株主資本だ』(中央経済社)を読んで勉強しました。前記の『目からウロコ!これが増減資・組織再編の計算だ!』が初級者編だとすると、この本は中~上級者編といった印象です(個人の感想です)。

 いきなり中~上級者向けの本を読んで勉強したものですから、何度も何度も読み返して、ようやく少し理解できた記憶があります。

 そんな時、書店で『目からウロコ!これが増減資・組織再編の計算だ!』を見つけたので、早速購入し、読んでみたのですが、いろいろな意味で衝撃を受けました。

 まず、私のような初心者でも理解できるよう、レベルを下げた上、とても分かりやすく解説してあり、「こんな本が欲しかった!」という気持ちになりました。

 そして、『目からウロコ!これが計算規則だ株主資本だ』を読んで理解したつもりになっていたのですが、この本により、実は自分が理解できていなかった(わかったつもりになっていた)ことに気づかされました。レベルは下げられているとはいえ、会社の計算の本質をついているからこそ、そのことに気づかせてくれたのだと思います。

 また、私のような初心者でも理解できるように解説することができるというのは、いかに金子先生の力量が素晴らしいかという証なのだと思います。

 このような計算の本は、最近、目にしませんので、特に、これから商業登記実務を勉強される方々や、会社の計算に苦手意識のある司法書士の先生方にとっては、待望の書ではないかと思います。

 そして、今、私は、合同会社を研究しておりますが、この本の言葉をお借りすれば、「計算を知らずして合同会社を語る勿れ!」だと思っております。

 ただ、今のところ、この言葉は私自身に対して言われているに感じます。少しは、合同会社の計算は理解できるようになってきたとは思います。しかし、理解すればするほど、自分がまだまだ、すべてを理解できているわけではないことが理解できてきます。

 まさに、「耕不尽」です。 

お問い合わせ先

立花宏 司法書士・行政書士事務所

〒980-0022
仙台市青葉区五橋一丁目4番24号ライオンズビル五橋702号

022-302-6906

サイト内検索

© 2016 All rights reserved.| は無断で加工・転送する事を禁じます。

Powered by Webnode