会社・法人登記専門の司法書士事務所です。

記事のアーカイブ

2024年08月03日 14:51

残余財産の分配の計算方法

 帳簿上の持分が次の状況の合同会社であることを前提とします。   資本金   資本剰余金  利益剰余金   合計A   100       0    25   125B   100       0    75   175 この合同会社は、AとBが100ずつ出資して設立しました。損益の分配については、A...
2024年07月27日 15:08

業務執行社員の職務と職務執行者

 業務執行社員とは、持分会社の業務を執行する社員のことをいいます(会社法590、591条)。ところで、法人である業務執行社員は、業務執行社員の職務を行う職務執行者を選任しなければならないとされています(会社法598条)。 さて、業務執行社員は持分会社の業務を執行する社員ですから、職務執行者は、その業務を担当することになるはずですが、なせ、「業務を行う」ではなく、「職務を行う」と規定されているのでしょうか。 おそらく、職務執行者の行う"職務"は、持分会社の"業務"とは違うということなのだと思います。 職務執行者が持分会社の業務を行うまでの過程を考えてみましょう。大雑
2024年07月20日 15:03

合同会社の定款の絶対的記載事項「出資の目的及びその価額」

 会社法576条1項6号では、合同会社(持分会社)の定款には、「社員の出資の目的(略)及びその価額又は評価の標準」を記載しなければならないとされております。 これは、いわゆる、定款の絶対的記載事項と呼ばれるものです。 そうすると、合同会社の定款には、必ず、社員全員の出資の目的及びその価額が記載されているということになりそうです。 しかし、たとえば、合同会社が存続会社となり吸収合併するようなケースで、消滅会社の株主等が、当該合同会社の社員となる場合には、「当該社員の氏名又は名称及び住所並びに出資の価額」を合併契約に定めることとされており、合併の効力発生日に、この定めに従い、定款を変更したものとみ
2024年07月13日 14:36

時価評価と出資の払戻し

 前回は、現物出資された財産について、減価償却がされていた場合に、出資の払戻しの請求があった場合のお話でした。 今回は、現物出資された財産について、時価評価がなされ、帳簿価額が出資時より増えていた場合に、出資の払戻しの請求があった場合を考えています。 たとえば、出資時の価額が100万円で、出資時には100万円全額を資本剰余金に計上していた有価証券について、時価評価により帳簿価額が150万円となっている場合に、出資の払戻しの請求があった場合です。 この場合、定款の当該社員の出資の目的及びその価額から当該現物出資財産についての部分を削除することは前回と同様です。 そして、150
2024年07月05日 17:59

減価償却と出資の払戻し

 今回は、現物出資された財産についての払戻しの請求があった場合のお話です。 たとえば、出資時の価額が100万円の建物を現物出資していた社員から当該建物の払戻しを受けた場合です。出資時には、100万円全額を資本剰余金に計上していたものとします。この場合、定款の当該社員の出資の目的及びその価額から当該現物出資財産についての部分を削除し、当該建物を払い戻しすることになります。 なお、この建物については、帳簿上、減価償却が行われ、簿価が10万円となっていたとします(注1)。建物を払い戻すと、簿価10万円の資産の払戻しとなりますから、当該社員の資本剰余金から10万円を減少することになります。 
2024年06月29日 11:04

出資の払戻額と定款変更

 今日は、出資の払戻しと定款変更について考えてみたいと思います。 まず、金1000万円を出資して設立された社員1名の合同会社であることを前提とします。この社員が、急遽、現金が必要となり、500万円の出資の払戻しを行います。なお、出資分は100万円を資本金に計上し、残りの900万円は資本剰余金に計上してあり、資本金の額の減少の必要はないことを前提とします。 さて、この場合、どのような手続が必要でしょうか。  合同会社においては、定款を変更してその出資の価額を減少する場合を除き、出資の払戻しを請求することができないとされているため、定款の変更をする必要があります。 定款に記載された出資の目的及びそ
2024年06月22日 15:51

現物出資財産(債権)の弁済と定款の変更

 過去に社員が100万円の金銭債権を現物出資(増資)した合同会社であることを前提とします。定款にはこの社員の出資の目的及びその価額として、何某に対する「金銭債権100万円 その価額100万円」と記載されているとします。 その後、当該金銭債権の債務者が合同会社に対し、金銭債務を弁済し、当該債権は消滅しました。 そういう状態である合同会社であることを前提に、この社員が金銭債権部分の出資の払戻しを請求したいと考えました。 さて、この場合はどのように考えたらよいでしょうか。 金銭債権はすでに弁済されていますので、この金銭債権を払い戻すことはできません。 では、この社員はこの金銭債権の出資について、出資
2024年06月15日 15:15

利益剰余金の資本組入れ

 株式会社については、会社法448条と450条に、準備金、あるいは、剰余金を資本金に組み入れることができる旨の規定があります。この準備金、あるいは、剰余金は、資本項目に限定されず、利益項目(利益準備金、利益剰余金)からも組み入れることが可能です(注1)。 では、合同会社でも同様に、利益剰余金を資本金に組み入れることは可能でしょうか。 この点について、会社法には規定がありません。では、組み入れることができないかというと、会社計算規則30条1項3号と31条2項4号に、資本剰余金を資本金に組み入れることが可能であることを前提とする規定があり、資本剰余金については可能であることがわかります。 それに対
2024年06月08日 15:34

1人社員合同会社の利益相反取引

 社員が1人のみの合同会社において、当該社員と合同会社が取引(たとえば、不動産売買)を行う場合、不動産登記の場面では、どのような検討が必要でしょうか。 この場合、形式的には、会社法595条1項1号の利益相反取引に該当することになりそうです。そうだとすると、「当該取引について当該社員以外の社員の過半数の承認をうけなければならない」という会社法の規定がありますから、その承認が必要ということになります。しかし、社員が1人のみですから、承認を受けるべき他の社員が不在です。 この場合、どのように考えればよいでしょうか。 これについて、利益相反取引については、定款に別段の定めを設けることが可能ですから、定
2024年06月01日 15:18

条件付きの入社に関する定款の定め

 出資者予定者がAとBの2名である合同会社を設立したいという相談を受けたとします。事情を伺ったところ、Bは現在、会社員をしており、半年後に退職する予定のため、Bは半年後に出資を履行し、社員となりたいというご意向です。ただ、会社の設立自体はもう行ってしまいというご意向の場合、どのように対応したらよいでしょうか。 一般的には、まず、Aのみで合同会社を設立しておき、半年後に、Bの加入の手続をしましょうという対応にするのではないかと思います。 しかし、会社自体はAとBで設立するので、定款にはBの名前も入れて欲しいというのが当事者のご意向だったとしたらどうでしょう。 仮に、社員のところをAとBの2名とし

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立花宏 司法書士・行政書士事務所

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