会社・法人登記専門の司法書士事務所です。

記事のアーカイブ

2024年06月22日 15:51

現物出資財産(債権)の弁済と定款の変更

 過去に社員が100万円の金銭債権を現物出資(増資)した合同会社であることを前提とします。定款にはこの社員の出資の目的及びその価額として、何某に対する「金銭債権100万円 その価額100万円」と記載されているとします。 その後、当該金銭債権の債務者が合同会社に対し、金銭債務を弁済し、当該債権は消滅しました。 そういう状態である合同会社であることを前提に、この社員が金銭債権部分の出資の払戻しを請求したいと考えました。 さて、この場合はどのように考えたらよいでしょうか。 金銭債権はすでに弁済されていますので、この金銭債権を払い戻すことはできません。 では、この社員はこの金銭債権の出資について、出資
2024年06月15日 15:15

利益剰余金の資本組入れ

 株式会社については、会社法448条と450条に、準備金、あるいは、剰余金を資本金に組み入れることができる旨の規定があります。この準備金、あるいは、剰余金は、資本項目に限定されず、利益項目(利益準備金、利益剰余金)からも組み入れることが可能です(注1)。 では、合同会社でも同様に、利益剰余金を資本金に組み入れることは可能でしょうか。 この点について、会社法には規定がありません。では、組み入れることができないかというと、会社計算規則30条1項3号と31条2項4号に、資本剰余金を資本金に組み入れることが可能であることを前提とする規定があり、資本剰余金については可能であることがわかります。 それに対
2024年06月08日 15:34

1人社員合同会社の利益相反取引

 社員が1人のみの合同会社において、当該社員と合同会社が取引(たとえば、不動産売買)を行う場合、不動産登記の場面では、どのような検討が必要でしょうか。 この場合、形式的には、会社法595条1項1号の利益相反取引に該当することになりそうです。そうだとすると、「当該取引について当該社員以外の社員の過半数の承認をうけなければならない」という会社法の規定がありますから、その承認が必要ということになります。しかし、社員が1人のみですから、承認を受けるべき他の社員が不在です。 この場合、どのように考えればよいでしょうか。 これについて、利益相反取引については、定款に別段の定めを設けることが可能ですから、定
2024年06月01日 15:18

条件付きの入社に関する定款の定め

 出資者予定者がAとBの2名である合同会社を設立したいという相談を受けたとします。事情を伺ったところ、Bは現在、会社員をしており、半年後に退職する予定のため、Bは半年後に出資を履行し、社員となりたいというご意向です。ただ、会社の設立自体はもう行ってしまいというご意向の場合、どのように対応したらよいでしょうか。 一般的には、まず、Aのみで合同会社を設立しておき、半年後に、Bの加入の手続をしましょうという対応にするのではないかと思います。 しかし、会社自体はAとBで設立するので、定款にはBの名前も入れて欲しいというのが当事者のご意向だったとしたらどうでしょう。 仮に、社員のところをAとBの2名とし
2024年05月24日 16:17

「取締役が2名以上ある場合は~」の定め

 申し訳ありません。今回も合同会社の話題から離れてしまいます。 もはや、合同会社の計算を中心に、日頃、考えたことを書き連ねていくコーナーに軌道修正させていただこうと思います。なにとぞ、ご容赦ください。 定款に次のような定めがある取締役2名の株式会社であることを前提とします。取締役は、代表取締役A、取締役Bです。【定款規定】第〇条 当会社に取締役が2名以上ある場合は、株主総会の決議により代表取締役1名を置く。 この会社において、代表取締役Aが死亡した場合、この定款の規定により、取締役Bは代表取締役になるでしょうか。 まず、これを考える前提として、前記の定款規定の代表
2024年05月18日 15:58

計算を知らずして会社法を語る勿れ!

 最初のころ、合同会社の計算のことを書いていきますと言っておきながら、既にその方針がブレまくっております。今回も、まったく違う話題です。大変申し訳ありません。 お題をみてお分かりの方もいらっしゃるかもしれませんが、金子登志雄先生の名著『目からウロコ!これが増減資・組織再編の計算だ!』(中央経済社)が、新訂版として再刊されました。 私が商業登記の道に進むきっかけのひとつとなった書籍でもあり、紹介させていただこうと思いました。 解散の計算のことがわからないと、会社法や商業登記のことが理解することは難しいと思います。 私は、司法書士資格を取得した後、勤務していた会社を退職し、まさに、会社法が施行され
2024年05月11日 14:11

江頭憲治郎先生の『株式会社法』改訂版が出版されたようです

 今日は、合同会社の計算を離れて、本の改訂情報のご紹介です。 先日、執筆の資料をインターネットで検索していたころ、本の広告が目に入りました。会社法関係の仕事をしていらっしゃる方であれば、ご存じない方はいないであろう、江頭憲治郎先生の『株式会社法』(有斐閣)が改訂され、第9版が出版されたようです。出版社のウェブサイトを見たところ、2024年4月発売となっていましたので、どうやら出版されて間もないようです。早速、注文いたしました。 まだ、どのくらいの内容が改訂されているのかはわかりませんが、引用文献として最新のものを記載するため、購入しました。というより、この書籍は、
2024年05月04日 14:19

持分の払戻しの持分とは(再検討)

 今回は、前回の続きです。 前回は、持分の払戻しは、大雑把に言えば、簿価での計算では計上されていない未実現の利益等を計算して、各社員への配分額を算定して、払戻額を計算する意味を有し、定款に損益分配の定めがあれば、それに従って分配すると考えることもできるのではないかという提案をしました。ただ、異なる考え方もありえるということも書きました。 今回は、この異なる考え方のひとつを検討し、もう少し深堀りしてみようと思います。 想定するのは、前回と同様、以下の状態の会社で、Bが退社したため、持分の払戻しを行うという事例です。会社全体の時価評価は600です。   資本金   資本剰余金  利益剰余金   合
2024年04月27日 14:20

持分の払戻しの持分とは

今日は、持分の払戻しの持分について考えてみます。帳簿上の持分が次の状況の合同会社であり、損益の分配や残余財産の分配等について、定款に別段の定めがないことを前提とします。   資本金   資本剰余金  利益剰余金   合計A   100       0   100   200B   100       0     0   100 この合同会社は、AとBが100ずつ出資して設立しました。その後、決算を行い、200の損益(利益剰余金)が計上され、100ずつ分配を受けました。その損益につき、Bの請求により、Bには100の配当を行っています。 この合同会社において、Bが退社したため、持分の払戻しをするこ
2024年04月20日 14:59

債務超過の合資会社の無限責任社員の退社と相続

 先日、手元に届いた「旬刊商事法務」No.2356の商事法判例研究のコーナーに、和田優哉氏「合資会社の無限責任社員が債務超過時に退社した場合における対会社責任」が掲載されていました。これは、最判令和元年12月24日民集73巻5号457頁についての研究論文です。 今回も、合同会社の計算から離れてしまいますが、何卒、ご容赦ください。  この判例理由の中で、社員が負担すべき損失の額が当該社員の出資の価額を超えるときは、定款に別段の定めがあるなどの特段の事情がない限り、退社した社員は、会社に対してその超過額(以下、「社員についての債務超過額」という。)を支払わなければならないという内容があり、それに対

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